人口密度は「人口 ÷ 面積」で計算される指標で、1平方キロメートルあたりに何人が暮らしているかを表します。当サイトのこのランキングは、人口データと国土地理院の面積データを掛け合わせて独自に算出しています。単純な人口ランキングとは順位がかなり入れ替わるのが特徴です。
たとえば、総人口では神奈川県が全国上位の常連ですが、人口密度で見ると神奈川県より大阪府のほうが高くなる年があります。これは大阪府の面積が神奈川県よりかなり狭いためです。逆に北海道は総人口では上位に入るものの、面積が全国で圧倒的に広いため、人口密度で見ると全国最下位クラスまで順位が落ちます。つまり人口密度ランキングは「人口が多い県」ではなく「面積の割に人が集中している県」を映し出す指標だということです。
この違いを踏まえると、人口密度が高い=混雑している・住みにくい、と単純に結び付けるのも注意が必要です。人口密度は都道府県全体の平均値なので、県内に大きな山間部や過疎地域を抱える県でも、都市部だけを見れば局所的にかなり高密度になっていることがあります。逆に、県全体では人口密度が低くても、県庁所在地周辺だけは十分に都市的な密度になっている、というケースも珍しくありません。都道府県単位の人口密度は、あくまで「県全体をならした場合の目安」として捉えるのが実態に近い読み方です。
また、人口密度は人口の増減と面積という2つの変数で決まるため、人口が横ばいの県でも、統計上の面積が改定される(境界の見直しなど)とわずかに数値が変わることがあります。年ごとの推移を見る際は、極端に小さい変化であれば誤差の範囲であることも念頭に置くとよいでしょう。
具体的な数字で見ると、この違いはより鮮明になります。東京都の人口密度は1km²あたり6,403人と全国で圧倒的な1位ですが、総人口では2位の神奈川県(923万人)よりも東京都(1,405万人)のほうが多く、東京都は「人口も多く、密度も高い」という数少ない例外です。一方、愛知県は総人口で4位(754万人)に入る規模がありながら、人口密度では1,458人と、東京都の4分の1にも届きません。同じ「人口が多い県」でも、面積の広さ次第で人口密度の順位はまったく別物になるということです。
当サイトが複数の指標の変動係数(都道府県間のばらつきの大きさ)を計算したところ、人口密度の変動係数は1.878と、他のどの指標よりも突出して大きいという結果になりました。県民所得の変動係数が0.153、持ち家比率が0.109にとどまるのと比べると、人口密度がいかに都道府県によって桁違いの差を持つ指標かが分かります。この極端なばらつきの大きさゆえに、人口密度は当サイトの他の多くの指標と相関しやすい性質を持っています。実際、県民所得(r=0.649)、犯罪発生件数(r=0.531)、持ち家比率(r=-0.588)、都市公園面積(r=-0.543)、自動車所有率(r=-0.748)と、性質の異なる指標のいずれとも無視できない相関を示しており、「都市化の進み具合」を測る代理変数として機能していることがうかがえます。
当サイトの人口密度ダッシュボードでは、都道府県ごとの推移を折れ線グラフで確認できます。総人口ランキングと見比べながら、「人口は多いのに密度は低い」「人口は少ないのに密度は高い」といった、意外な組み合わせの県を探してみるのも面白い読み方です。