各都道府県のページには「総合力スコア」という5点満点の指標を表示しています。これは学術的に確立された評価指標ではなく、当サイトが独自に定義した簡易的な集計です。何を根拠にしているのか、また何が測れていないのかを、ここで正直に説明しておきます。
スコアは、県民所得・人口10万人あたり病院数・持ち家比率・年少人口割合・高齢化率という5つの指標について、それぞれ全国の中央値と比べて「良い方向」にあるかどうかを数えたものです。県民所得・病院数・持ち家比率・年少人口割合は数値が高いほど加点、高齢化率は数値が低いほど加点としています。5つのうち、良い方向にある指標の数がそのままスコアになります。
基準には「平均値」ではなく「中央値」を使っています。県民所得や人口10万人あたり病院数のように、一部の都道府県が突出して高い指標では、平均値がその突出した値に引っ張られて高くなり、大多数の都道府県が「平均以下」に判定されてしまう現象が起こります。中央値(順位で見てちょうど真ん中の値)を基準にすることで、こうした偏りの影響を受けにくくし、47都道府県がより均等に「良い方向・そうでない方向」に分かれるようにしています。
この集計方法には明確な限界があります。まず、5つの指標をすべて同じ重みで扱っている点です。実際には人によって「県民所得の高さ」を重視する人もいれば「持ち家比率の高さ」を重視する人もいるはずで、本来は指標ごとに重要度が異なります。また、高齢化率を一律に「低いほど良い」と扱っていますが、これは経済・労働力の観点からの一面的な評価であり、高齢者が暮らしやすい地域かどうかを測るものではありません。同様に、年少人口割合を「高いほど良い」としているのも、あくまで将来の労働力人口という観点からの評価です。
つまりこのスコアは、「経済・生活基盤としての厚みを、5つの決まった物差しで機械的に数えたらどうなるか」という一つの切り口を示しているに過ぎません。気候の心地よさ、自然環境の豊かさ、文化や娯楽の充実度、治安の良さといった、暮らしやすさに関わる他の多くの要素は、このスコアにはまったく反映されていません。
総合力スコアは「その都道府県が総合的に優れているか劣っているか」を判定するためのものではなく、経済・生活基盤という限定された切り口から都道府県を眺めるための、ひとつの補助的な指標として使っていただければと思います。個々の指標の中身は、それぞれのダッシュボードで確認できます。