データみっけ

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「1位」というランキングを、私はもう鵜呑みにできない。元地方公務員がデータみっけを作った理由

このサイトを作る前、私は地方公務員として、住民情報や税務、福祉といった自治体の基幹業務のデータに携わっていました。あわせて、庁内のDX推進や標準化対応の一環として、国勢調査や人口統計、事業所・経済統計、医療・福祉、防災、教育など、外部に公開する統計データの整備にも関わる機会がありました。その中で強く感じたことが1つあります。「数字だけでは実態は見えない」ということです。

たとえば人口が増えている自治体だからといって、必ずしも住みやすいとは限りません。逆に人口が減っていても、高齢化率や世帯構成、昼夜間人口といった別の指標と組み合わせると、まったく違う姿が見えてきます。ランキングも同じです。単純な合計値の順位だけを見ると簡単に誤解が生まれます。人口で補正するのか、面積で補正するのか、あるいは年代別に比較するのか——分母の取り方ひとつで、評価はまったく変わってしまいます。行政の実務の現場では、1つの数字だけで物事を判断することはほとんどなく、複数の統計を組み合わせて背景を読み解くのが当たり前でした。

このサイトで「総数のランキング」だけでなく「人口10万人あたり」「面積あたり」といった独自の補正指標をあえて別記事・別ダッシュボードとして用意しているのは、この経験がそのまま反映されています。たとえば大学数の記事では、総数トップは東京都でも、人口あたりに直すと京都府がトップに入れ替わります。生乳生産量の記事では、総量では北海道が圧倒的1位ですが、その集中度合い自体が他の農産物とはまったく違う構造を持っています。「1位」という結果を見せるだけでなく、その1位が何で割った数字なのかまで見せることが、行政の現場で数字と向き合ってきた者としての、私なりのこだわりです。

もう1つ、実務で苦労したのが「データはあるのに、すぐには使えない」という状況の多さでした。部署ごとに管理方法やファイル形式が異なり、CSV・Excel・PDFが入り混じっていたり、同じ項目でも名称やコード体系が微妙に違っていたりして、そのままでは分析に使えないことが少なくありませんでした。外部に公開されているオープンデータも、専門的なフォーマットや項目名のまま公開されていることが多く、行政や統計に詳しくない人が活用するにはハードルが高いと感じていました。「データを集めること」よりも、「比較できる形に整理し、意味が伝わるように見せること」のほうが、実はずっと大変で、ずっと価値がある——そう実感したのが、このサイトを作る直接のきっかけです。

行政の中でオープンデータが「作られる側」を見てきた経験と、その後データサイエンティストとして「使う側」でデータ分析に携わってきた経験、その両方があることが、このサイトの記事や指標づくりに活きていると思っています。データみっけは、単なる統計データベースを目指しているわけではありません。ランキング・地図・独自指標・背景解説まで含めて、「数字の意味まで分かるサイト」に育てていくこと——それが、公務員時代から変わらず持ち続けている、このサイトの原点です。

これから先も、有名な統計だけでなく、農産物や工芸品、地域特有の産業といった、「こんなものまでランキングになるの?」と思ってもらえるようなニッチなテーマにも挑戦していきたいと考えています。5年後、10年後にどんなサイトになっていたいかと聞かれたら、派手さよりも、「何か気になる数字があったら、まずここを見てみよう」と自然に思い出してもらえる存在でありたいと答えます。統計やオープンデータを、専門家だけのものではなく、誰もが身近に使える道具として届け続けること。それが、このサイトの変わらない目標です。