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年間日照時間、全国トップは沖縄県ではなく埼玉県。気温との相関はほぼゼロだった

日本で一番、年間日照時間が長い都道府県はどこでしょうか。沖縄や南国のイメージを持つ人が多いかもしれませんが、実際に都道府県別の年間日照時間ランキングでトップに立つのは、埼玉県(2,366時間)です。次いで群馬県(2,344時間)、山梨県(2,335時間)、愛知県(2,255時間)、茨城県(2,250時間)と、関東内陸部・中部地方の県が上位を占めます。常夏のイメージが強い沖縄県は1,760時間で42位、日本で最も温暖な都道府県庁所在地を持つにもかかわらず、日照時間で見るとむしろ下位に沈んでいます。

この理由は、日本の気候構造にあります。冬場の関東内陸部は、日本海側で雪を降らせた季節風が山脈を越えて乾いた晴天をもたらす「からっ風」が吹き、空気が乾燥して雲の少ない晴天が続きやすい地域です。一方、沖縄県は年間を通じて海洋からの湿った空気の影響を受けやすく、梅雨や台風、冬場も曇りがちな日が多いため、気温が高い割に日照時間は伸びません。「暖かい=日照時間が長い」という直感的なイメージは、日本列島の気候にはそのまま当てはまらないのです。

実際に、当サイトの年平均気温データとの相関係数を計算すると、r=0.128という、ほぼ無相関に近い結果になりました。気温が高い沖縄県鹿児島県宮崎県が日照時間でも上位に来るわけではなく、逆に気温が低い北海道(1,913時間、25位)は中位につけています。日照時間を決めているのは気温そのものではなく、その土地の気圧配置・季節風・湿度といった、気候のまた別の側面だということが、この低い相関係数からわかります。

日照時間の下位には、秋田県(1,647時間、最下位)、鳥取県(1,707時間)、島根県(1,721時間)という日本海側の県が並びます。これらの県は冬場に日本海からの湿った季節風の影響を直接受け、曇りや雪の日が多くなる地域です。同じ「日本海側」でも、太平洋側の高知県(2,095時間、17位)や徳島県(2,098時間、15位)は、冬場に晴天が多い瀬戸内海式・太平洋側気候の恩恵を受けており、日本海側か太平洋側かという分類のほうが、緯度や気温よりも日照時間への影響が大きいことがうかがえます。

「日照時間が長い=暖かい南国」というイメージは、統計で見るとむしろ逆転する面白い指標です。当サイトの年平均気温ダッシュボードとあわせて見ることで、気温と日照という、似ているようで実は別の顔を持つ2つの気候指標の違いが見えてきます。

年間日照時間 × 年平均気温(都道府県別散布図)

相関係数 r = 0.128ほとんど無い相関、n=47)。点1つが1つの都道府県を表しています。 右肩上がりの傾向がほとんど見られず、点がばらばらに散らばっているのが分かります。気温が高くても日照時間が長いとは限りません。