「給食施設数」と聞くと学校給食だけをイメージしがちですが、この統計が対象とするのは、学校に加えて病院・事業所・保育所・高齢者福祉施設など、継続的に食事を提供する「特定給食施設」全般です。都道府県別に見ると、東京都が8,582施設で全国トップ、次いで大阪府(5,231施設)、神奈川県(4,344施設)、兵庫県(3,967施設)、埼玉県(3,724施設)と、人口の多い都市部が上位を占めます。学校数だけでなく、病院・オフィスビル・介護施設の数も人口に比例して増えるため、施設数ランキングは基本的に人口ランキングに近い並びになります。
ただし、細かく見ると人口規模だけでは説明しきれない順位も見られます。例えば新潟県は10位(2,485施設)につけていますが、これは同程度の人口規模の県と比べてやや上位です。新潟県は県土が広く、人口が特定の都市に集中せず複数の地域に分散して住んでいるため、1つの大きな施設に集約するのではなく、地域ごとに給食施設を分散して設置する必要があったのではないかと考えられます。大都市のように高層ビル1棟に大人数分の給食施設を集約できる地域と、施設を地理的に分散させざるを得ない地域とでは、人口が同じでも必要な施設数が変わってくる可能性があります。
最も施設数が少ないのは鳥取県(400施設)で、島根県(600施設)、徳島県(644施設)が続きます。これらは当サイトの人口ランキングでも下位に位置する県であり、施設数の少なさは、そのまま人口の少なさを反映した結果だと考えるのが自然です。
この指標のもう一つの特徴は、学校・病院・事業所・福祉施設という、性質の異なる複数の施設タイプを1つの数字に合算している点です。当サイトの病院数ランキングや大学数ランキングのように単一の施設種別に絞った指標と違い、給食施設数は「その地域でどれだけ多くの人が、家庭外で継続的に食事を提供されているか」という、やや広く粗い切り口の指標だと理解しておくのが適切です。
地味な指標に見えても、こうして分解していくと、単純な人口比例では説明しきれない地域差の芽が見えてきます。当サイトの病院数・大学数のダッシュボードとあわせて、地域ごとの「施設の集積のしかた」の違いを比べてみるのも面白い切り口です。