データみっけ

Articles

東京都の家賃は青森県の2.8倍。でも年収も高いから『得』とは言い切れない

同じ1坪の部屋でも、住む県によって家賃は3倍近く変わります。1ヶ月・1坪あたりの家賃を都道府県別に見ると、東京都が8,806円で圧倒的な1位、次いで京都府(5,988円)・神奈川県(6,258円)・大阪府(5,746円)と大都市圏が並びます。最も安いのは青森県で3,163円。東京都との差は2.8倍にのぼります。

この家賃の地域差は、当サイトの人口密度データと極めて強く連動しています。相関係数を計算するとr = 0.861。当サイトが扱ってきた指標の中でも屈指の強い相関で、人口密度が高い地域ほど土地・住宅の希少性が増し、家賃が跳ね上がるという、経済学的にも自然な結果です。同時に、平均年収との相関もr = 0.705と強く、家賃が高い地域ほど年収も高い傾向があります。つまり東京都で暮らす人は、高い家賃を払う一方で、高い年収も得ているという構図です。

ここで気になるのが「差し引きでどちらが得か」という点です。東京都の平均年収(598.95万円)は青森県(380.16万円)の約1.6倍ですが、家賃は2.8倍です。単純な比率だけで見ると、家賃の上昇スピードのほうが年収の上昇スピードを上回っており、可処分所得(家賃を払った後に残るお金)で見れば、必ずしも東京都の方が「得」とは言い切れません。当サイトの貯蓄現在高ランキングで、所得トップの東京都が8位にとどまっていたことも、こうした生活コストの重さと整合的です。

また、家賃と持ち家比率の相関係数はr = -0.622と、中程度から強めの負の相関があります。家賃が高い都市部では持ち家を持つハードルも高く、賃貸で暮らす世帯の割合が自然と高くなります。当サイトの自動車所有率の記事で見た「都市は車を持たない」というパターンと同様に、家賃の高さも「都市型の暮らし方」を形作る大きな要因の一つだといえます。

高い家賃は、高い年収・便利な公共交通・多様な仕事の選択肢とセットで存在しています。どちらが「得」かは、家賃と年収の比率だけでなく、通勤時間・車の要不要・子育て環境など、当サイトが扱ってきた複数の指標を総合して考える必要があります。当サイトの比較ページで、気になる2つの都道府県を選んで、家賃・年収・持ち家比率をまとめて見比べてみてください。

人口密度 × 家賃(1ヶ月・1坪あたり)(都道府県別散布図)

相関係数 r = 0.861強い相関、n=47)。点1つが1つの都道府県を表しています。 右上に東京都が突出しています。人口密度が上がるほど家賃も上がる、非常に強い右肩上がりの関係です。