「ちょっと気になるな」「なんでだろう?」——データ分析のきっかけは、たいていそんな小さな疑問です。このサイトの記事も、最初から結論が決まっていたものはほとんどありません。「日照時間が一番長いのはどこだろう」「森林率と犯罪発生率って、関係あるのかな」というふとした疑問を、実際に手を動かして数字で確かめてみたところから、それぞれの記事は生まれています。
実際にデータを調べてみると、予想どおりの結果になることもあれば、まったく違う結果が出ることもあります。日照時間の記事では、常夏のイメージが強い沖縄県ではなく埼玉県がトップという、予想を裏切る結果が出ました。一方で、森林率と犯罪発生率の記事のように、ある程度予想通りの相関が出ることもあります。どちらの結果であっても、それは同じように「発見」です。データ分析は、あらかじめ用意された正解を当てるゲームではなく、手を動かした人だけが得られる気づきを積み重ねていく作業だと思っています。
特に大切にしたいのは、「相関が見つからなかった」という結果も、立派な発見だということです。このサイトの分析ページでは、大学数と県民所得の相関係数を計算すると、ほとんど無相関という結果が出ました。「大学が多い地域は経済的にも豊かなはず」という直感は、少なくともこの2つの指標の間では裏付けられなかったということです。これは「分析に失敗した」のではなく、「その仮説は、少なくともこのデータでは支持されない」という、それ自体が意味のある結論です。相関が見つからないことを恐れて、都合の良い結果が出るまで指標を選び直すようなことをすると、かえってデータの意味を歪めてしまいます。
記事のテーマを選ぶときも、半分は「多くの人が気になりそうなテーマ」、もう半分は「自分自身が純粋に気になって調べてみたいテーマ」を意識してバランスを取るようにしています。自分が面白いと思えないテーマは、書いていても手が止まりますし、読んでくださる方にもその面白さはうまく伝わらないものです。だからこそ、自分自身がワクワクできるかどうかも、テーマ選びでは大切にしている基準のひとつです。
もしこれからデータ分析を始めてみたいと思っている方がいたら、身構えずに、まず自分の中にある小さな「なんでだろう」を1つ、実際の数字で確かめてみることをおすすめします。予想通りでも、予想外でも、そこには必ず何かしらの発見があります。このサイトのランキングやダッシュボードも、そうした「確かめてみる」ための道具として、気軽に使ってもらえたらうれしいです。